凧と浜風

横浜や鎌倉、そして湘南の海辺、そんな風景を撮ってます

残雪の御坂山地 十二ヶ岳から鬼ヶ岳への難路縦走 【前編】

残雪の御坂山地 十二ヶ岳から鬼ヶ岳への難路縦走 【前編】では、
西湖の西にある根場(ねんば)駐車場に到着後、バスで十二ヶ岳登山口のある桑留尾(くわるび)へ移動
其処から「十二ヶ岳山頂」に至る登山記録を纏めてみました

昨年1月に「毛無山から十二ヶ岳」を歩いた際、この十二ヶ岳からルートを下ってきた筈なのですが
登山と下山、目にする景色の印象が随分違った様に感じました

ss-DSC02175.jpg
Photo-1
十二ヶ岳山頂から見る富士山
何も遮るものの無い山頂からこうして富士山に正対すると、見ると言うより富士山と対話しているような気分になってきました
......................................................................................................................





カヌーイストの「野田知佑(のだともすけ)」さんがアウトドア向けのマガジンに載せたエッセイの中で、
「川遊びや焚き火、そしてナイフ... アウトドアで自然に出会うこうした遊びが危険と言う事で
学校や社会で無理解な制約を受けるケースが増えている」(少し要約しています)
と、アウトドア後進国日本の現状を憂いています

私見ですが..... 
危険の度合いによりますが、子供の頃に実体験として危険を知り、それを予知し避ける術を身につけておく事は
より良く生きて行く上でとても大切な事、と思っています
私の場合、三年前より山に登り始めて「非日常的な山と云う自然の中にあるリスク」に直面する度に
子供の頃に外遊びで覚えた「危なさへの予感とその回避策」が役立っているように感じます

何故、このような話を始めたかと云うと、
山梨、長野、新潟 ....と言った沢山の山を持つ県では、「遭難の予防策」として、「体力」と「技術」の二軸で
「山と登山コース」の難易度をランク付けをする「山のグレーディング」を公表しています
私は初めての山に登る際には、事前にこれを調べてみる事にしています

でも、此処で調べた結果を自分の登山にどう活かすか?と云う段階では、それなりの登山の経験とスキルが求められます
つまり「何処にどの様な危険がありそうか」を机上で予習していても、実際の山でその危険を嗅ぎ分ける能力がないと
「危機の回避」と言う本来の目的にはあまり効力を発揮しないケースが多くなると思います
大切なのは、自分の中にこうした危険を計る「固有の物差し」を持っている事
そして其の物差しは、外遊び等の実体験で得られた「怖い・危ない」と云うセンスから生まれていると感じています
野田さんのエッセイ、そして今回登った十二ヶ岳の難路からそんなことを考えていました

さて、「閑話休題」
この日登った「十二ヶ岳」、日本の2000m以下の山で二番目に危険な山(!) だそうです
雪の残った冬にこの山に登るリスク、十分に肝に銘じて登る事に致しました

それでは十二ヶ岳への登山の記録です
先週日曜日の朝7時に根場の駐車場に到着した時の気温は「-4℃」
西湖の標高は900mとの事なので、まあこれは想定内、途中の道路が凍結していなかったので助かりました

しかし日帰り登山は荷物が少なくてよいですね
特に今回の縦走のポリシーは 食  <  < 見 < ≒  歩  なので(笑)、カメラは山カメラのα6000、
食事はオニギリと行動食に限定、そしてこの後に控える「雪山向けのギアー」を優先的に持ってゆきました
Photo-2
ss-DSC02059.jpg


バス停の前ある「魚眠荘」は、バスアングラーの他、様々なスポーツの合宿に使われるようで
根場と言う古い集落にしては、比較的若者向きの雰囲気を感じます
この人形もその一つ、古い案山子のように、着ている服が汚れてくると惨めになりますが、綺麗に保たれていますね
Photo-3
ss-DSC02053_20170222081158ebf.jpg

AM8:00発 のバスを逃すと次のバスは午後まで無いので、少し早めに根場の駐車場に到着しましたが
駐車場で色々支度をしていたら、丁度良い時間になってしまいました

定刻に到着したバスに乗っているのは私一人(!)、日曜日でも2月の富士五湖はシーズンオフなのでしょうね
「桑留尾」のバス停で降りると、目の前には馴染みの「いずみの湯」
西湖で釣り、登山、キャンプで遊んだ人達がよく利用する「立ち寄り湯」、昨年私もキャンプの際に利用いたしました

この温泉の建物の後ろの稜線は足和田峠から紅葉台に至るルートになっています
一昨年の晩秋に此処を歩きましたが、紅葉した樹林に囲まれたとても気持ちのよいトレッキングコースでした
今は葉を落とした広葉樹の枝が山稜に生えた針の様ですね
Photo-4
ss-DSC02063.jpg


8:30、道路から少し奥に入った登山口から登り始めます
昨年、このコースを下ってきた時に見つけて凄く不思議に思った看板を見つけました
「登山路」と「通学路」が暫く同じコースを共存しています

何故、山の中に通学路があるのか?(笑)
西湖に行った方はよく分かると思いますが、周りの山が湖に凄く迫っています
だから十二ヶ岳から見る西湖が真下の見えるわけですが......
この為、特に湖の北を走る道路はかなり狭く、更にブラインドカーブの連続となっています
子供達があのコースを通学路として毎日使うのは確かに危険ですね
多少大変でも、山の斜面を歩いて通学すると言う選択肢は賢いと思いました
そんなことを思った看板です
Photo-5
ss-DSC02066.jpg


十二ヶ岳への直登ルート、最初と最後の30分がとてもキツイです
初めからトレッキングポールのお世話になりますが、立っているだけで滑りそうな急角度
この急登が約30分程度続きます
Photo-6
ss-DSC02067.jpg

30分ほど登って少し緩やかな傾斜になった辺り
普通ならば、体も温まって此処からペースを上げてゆくのですが....
この日は西湖の湖畔から吹き上げてくる冷たい風が体温を奪ってゆき、結構辛い時間が続きます
Photo-7
ss-DSC02101.jpg

この斜面は昨年下った記憶があります
この日の登山コースではこの様に残雪が凍って滑りやすくなっている場所がとても多かった
そしてこのルートの特徴の一つ、木の根に掛かった少し緩い補助ロープ(笑)、グローブをした手にはとても滑りやすい
更に... 断崖でこのロープに命を預けて登った後、この様に無造作に(思える)木の根に縛ってあるのを見ると、ちと怖いですね
Photo-8
ss-DSC02105.jpg

葉を落とした樹林の間から「十二ヶ岳の山頂」が見えてきました
十二ヶ岳を中心に、この御坂山地の山々は、山頂が「ポコ」っと出っ張る形で形成されているのが多く
最後に其処に登ることを考えると大変です
Photo-9
ss-DSC02123.jpg

山頂間近、最後の30分です
危険度は少ないのですが、ロープがないと登れないような滑りやすい斜面が続きます
ロープの他、登山路脇の木の根、岩を上手く掴み、突き出た岩に足を乗せながら登ってゆきます
Photo-10
ss-DSC02130.jpg


深い樹林の中を歩いてきましたが、此処でチョッとした踊り場に到着
富士山に向けて一気に視界が開けました!
Photo-11
ss-DSC02139.jpg

西湖の西に広がる「青木ヶ原の樹海」、その向こうには本栖湖、更にその後ろには南アルプスまで見えています
そして、今回どちらにしようかと迷った「竜ヶ岳」、本栖湖の左に立派な山容を誇っています
次はあそこかな....
Photo-12
ss-DSC02145.jpg

最後のロープ場です
此処で、本日初めて登山者二名に遭遇
毛無山からの縦走者と云うことですが、お二人ともチェーンスパイクを装着しています
山頂の様子を聞いたら、北向きの尾根は雪が残りアイスバーン状態との事でした

さてこのロープ、左が天然繊維で右が化学繊維
登山グローブをした手には天然繊維のほうが滑りにくいものの、ロープの表面が凄く汚れていて
このロープで登った後、カメラを持ったらかなり悲惨な事になりました
一方で、化学繊維のこの細いロープ、滑りやすいので途中にこぶが作ってありますが、余り体重を掛けるのは危険
そして、どちらのロープも、やはり樹に縛ってありますね(笑)
Photo-13
ss-DSC02147.jpg

3時間近い時間をかけて山頂に到着です、お疲れ様でした
Photo-14
ss-DSC02162.jpg

昨年の一月にこの山に登って以来、この景色が脳裏に確りと焼きついていました
晴れて、雪があって、少し冷たい風が吹いて... やはり素晴らしい景色です
Photo-15
ss-DSC02185.jpg

山頂では3名の登山者のグループが休憩中でした
千葉から来たそうで、毛無山からのルートで登ってこの後は桑留尾に下るそうです
2名が熟練者、1名が初心者との事ですが、3名とも御坂山地が好きと云うことで少し盛り上がりました(笑)

西湖に向かって切り落としたような断崖、だからこそ圧倒的な迫力で迫る富士山が素晴らしいのでしょうね
Photo-16
ss-DSC02173.jpg

山頂には二つの祠がありました
Photo-17
ss-DSC02192.jpg

3名の登山者が下山した後は山頂には私一人
約一時間、昼食を食べ、富士を眺め、西湖の湖面で風が舞うのを眺めていました
Photo-18
ss-DSC02207_20170222081346906.jpg

登ってくる時には、湖から吹き付ける冷たい風に悩まされましたが、この強い風からのプレゼント
湖の上を楽しんで走り回っているような風の舞い、山頂からの眺めにとても良いアクセントを貰いました
Photo-19
ss-DSC02206.jpg


時刻は12時少し過ぎ、鬼ヶ岳までの様子が全く分からないので少し余裕を見た縦走計画に変更します
根場の駐車場に最悪4時までに到着できる様、コースを刻んで出発です
Photo-20
ss-DSC02212.jpg


残雪の御坂山地 十二ヶ岳から鬼ヶ岳への難路縦走 【前編】十二ヶ岳山頂までの登山記録でした

読み返してみるとこの前編は、写真より少し感想・想いが多すぎましたね(笑)、反省です
早めに【後編】の十二ヶ岳、鬼ヶ岳縦走記をアップしたいと思います




【凧と浜風】 お付き合い頂き ありがとうございました
そっと応援して頂けると嬉しいです


にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ

スポンサーサイト

2 Comments

りら says..."kite31 様"
Photo-6
急角度・急登
木立・根元にもそれを感じますね

Photo-7
狭い斜面 そこに差す光 その光による地面への樹木の影
危険な地でありながら 自然の芸術感じます

Photo-8
安易に思えるロープですが 残雪の細い道は危険を伴うものであってもやはり美しいです

Photo-10
この地での登山の激しさをお写真は語っています
それゆえ それでこそ 登った者しか分かりえない山の美意識があるのでしょうね

Photo-11
絶景ポイントですね
これ以上申し分のない光景
撮影中も心癒されることでしたでしょう

Photo-17
素晴らしい被写体ですね
祠は 日本古来からの風習 表現されています

Photo-19
湖の輝きは言葉に尽きせぬものがありますね
2017.02.23 20:39 | URL | #sSHoJftA [edit]
kite says..."りらさんへ"
こんばんは、コメントありがとうございます

最近は、少し「急坂」を「急坂らしく」写す技術が向上したように思います(笑)
以前は、かなり苦労して登った坂を写しても、家で見返すと余り坂に見えない!と云うジレンマを繰り返していました

昨年はこのルートを一気に下ってきたので、余り印象に残っていなかったのですが
登りでここを歩くと、ジックリと坂を味わって歩く事になって、被写体としても興味深いものが多かったように思います

山で出会うロープ、山に縁のない方から見ると、少し奇妙でしょうね


十二ヶ岳山頂からの冬景色、本当に素晴らしく、色々な方に推薦したいのですが、
このルートの大変さを考えると、無責任な進め方はできないかな・・・と思っています

西湖の輝き、美しさには昨年も圧倒されましたが
今年は湖面を踊る風の舞いまで見ることができて、本当にラッキーでした

2017.02.24 21:40 | URL | #- [edit]

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://kite31.blog81.fc2.com/tb.php/830-4333dbfa
該当の記事は見つかりませんでした。