凧と浜風

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初めての後立山連峰 唐松岳~五竜岳縦走記 後編:五竜岳から遠見尾根へ

初めての後立山連峰 唐松岳~五竜岳縦走記の最終章は、
今回の縦走のクライマックスである 「五竜岳登頂」を中心に纏めました

前編から使っているマップを今回も載せておきます

                 前編(赤ライン): 白馬八方駅から八方尾根を登って唐松岳へ  → 既報
                 中篇(緑ライン): 唐松岳頂上山荘から牛首を通って五竜山荘へ  → 既報

                 後編(青ライン): 憧れの五竜岳登山、其処から遠見尾根を下ってアルプス平(Goal)へ

ss-唐松・五竜

「北安曇から後立山連峰を眺めると、高さは特別ではないが、山容雄偉、岩稜峻厲、根張りのどっしりした山が眼につく
それこそ大地から生えたようにガッチリしていて、ビクとも動かないといった感じである。これが五竜岳だ」
※ 深田久弥 日本百名山より
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雲海を下に見ながら五竜岳の頂に向かって登って来ると、稜線に沿って五竜山荘に至る登山路が一望できました
素晴らしい景色に暫し時間も止まりました
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この日は「午後から天気が崩れる」との予報が出ているので、朝5時の朝食が済むと登山者は次々に出発してゆきます

窓からテント場を見ると、この時間で殆どのテントが撤収済み
昨日ご一緒したAさんも既に出発した様です


朝陽の当たる五竜岳
深田久弥さんの「日本百名山」の紹介文にある通り
「大地から生えたようにガッチリしていて、ビクとも動かない」・・・ 五竜岳は、まさにその様な印象を受けました
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準備を整えて山小屋を出たのが6時少し前
鞍部となっている山小屋の周辺を、ガスが速いスピードで流れてゆきます

速報版でもお伝えした 此処で初めてのブロッケン現象(Brocken spectre)との遭遇
小屋の前にいた登山者身集まって来て歓声を上げていました
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これから五竜岳に登る人、牛首を通って唐松岳に向かう人、そして縦走を終え遠見尾根を下ってアルプス平に向かう人
皆さん、テキパキと五竜山荘を後にして行きます

この五竜山荘と云う山小屋、後立山連峰を行き来するベテランの登山者が極普通に使える山小屋と言う印象を持ちました
運営の全てがプロらしく、効率的に、無駄なく、余剰なものも無く、回っている・・・ 
建物は新しくなっていますが、昔ながらの山小屋の雰囲気が濃厚でした
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左手に見えるのが、五竜岳山頂を往復したあとで下山で使う遠見尾根

山小屋からこの遠見尾根終点までの高度差は900m程ですが、大遠見山、中遠見山、小遠見山と3つの山を越えてゆくので
かなりアップダウンが多い、長さを感じる尾根だという話です
雲海の下、下界はどんなお天気でしょうか
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五竜山荘から五竜岳山頂までの往復、標準CTで1時間40分ほどなので、荷物を山小屋にデポして空身で登る登山者が多いようです
私はこの日はアタックザックを持ってこず、カメラをむき出しのまま持って行きたくなかったので、ザックを背負って登る事にしました
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少し登って振り返ると、眼下に素晴らしい景色が拡がっています
山荘の直ぐ後の山が「白岳 標高:2541m」、その後が牛首を通った後苦労した「大黒岳 標高:2511m」
此処は雲の通り道のようですね
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ガスに隠れた山頂に向かって、前半は整備された登山路が続きます
後半は岩壁をよじ登るので、ガスの手前でカメラをザックに仕舞う事にしました
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五竜岳山頂まであと少し、白馬村の上空には見事な雲海が広がっていました
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難所の岩壁をよじ登ると、「鹿島槍ヶ岳」に向かう八峰キレットへの分岐点がありました

深田久弥さんはこの鹿島槍ヶ岳ヶとても好きだったようで、日本百名山の中でも、
”鹿島槍は私の好きな山の一つである。その品の良い美しさは見飽きることがない
大ざっぱな山を見る人には見落としがちな 謙虚な存在であるが、一旦その良さが分かると、もう好きでたまらなくなる
魅力は何といっても両槍とその吊り尾根の美しさだが、 ・・・ 特にこの山は信州から見るのが良く、・・”
と山姿を愛でる言葉を連ねています

間近に見ると本当に美しい山である事を実感します
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漸く山頂が見えてきました、山頂標識が微かに見えていますね
ガイドブックにある通り、「山頂直下の岩場はクサリ等の補助が無いので要注意」の様子
周りの景色が凄いので、高度感タップリです
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山頂から、五竜山荘方面を望む
岩と緑と・・・ 変化に富んだ稜線が美しいですね、左のガスの下に五竜山荘が隠れています
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此方は・・・ 八峰キレット越しに「鹿島槍ヶ岳」を望む
流石に国内最高難度の登山路、鹿島槍ヶ岳へと続くキレットは覗き込むのも怖いほど・・・
手前の黒い岩稜を下り、鞍部から鹿島槍ヶ岳の緑の尾根を登り返してゆきます
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山頂に20分ほど居たでしょうか・・・ この素晴らしい景色を独り占め
山頂ではdocomoの電波が入ったので、友人達にこの素晴らしい景色をおすそ分けいしました(笑)

此方は登ってきた登山路の後半部
人によっては「牛首と同程度の難度」と記述しているようですが、距離が短いだけ此方の方が牛首より楽でした
あと・・・ お天気のせいもあったかもしれませんねえ(苦笑)
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ガスが急速に流れているので、景色がどんどん変化してゆきます
先刻までガスに隠れていた「鹿島槍ヶ岳へのルート」が見えてきました
ウ~~ン、どうでしょう・・・ 私の生涯で此処を下る機会があるのでしょうか(笑)
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登って来るときには、大事をとってカメラをザックにしまいましたが
注意をすれば何とか行けそうなので、下りはカメラをキャリアに装着したままにしました
登りの時に写せなかった景色を、カメラに収めながら下ります

足元から続く登山路が消えている辺り・・・ ほぼ垂直の岩壁の下りが待っています
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此処がその岩壁です
取り付く場所と、目指す場所、それと極端に脆い岩にはマークが入っていますが
後は、三点支持を維持しながら自分で登るルートを探してゆく・・・・ お天気さえ良ければ結構楽しい岩場登りです
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先刻、この岩壁を苦労しながら登った時に、力づけてくれた愛らしい高山植物
帰宅後に調べたら、「イワギキョウ」でした
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五竜岳から下ってくる時、ずっと視野に入っているこの景色
今後、「五竜岳」と聞いて私の脳裏に浮かぶ代表的な景色なると思います・・・・ それほど印象的な風景でした
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五竜山荘に到着
この後は、3時間前後かけてこの遠見尾根を下ってテレキャビン(ロープウェイ)の「アルプス平駅」まで
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八方尾根でもいたるところで見かけた「チングルマの実」
8月初旬では未だ花が見られるかと想ったら、殆どがこの「実」の姿になっていました ・・・ 高原の夏は短いのですね
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遠見尾根は中々歩きでのあるコースでした
2日間の縦走で足に疲れが溜まっている中、3つの小ピークの登りが結構キツイ

途中で出合った中年男性5名のパーティー、「最後は楽に降りられると想ったのに騙された」と嘆いていましたが、全く同感です(笑)
五竜岳で見た雲海の下に出たので、途中からガスと共に纏まった雨に見舞われました
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遠見尾根の最後はハイキングコースになっていて、家族連れのハイカーが沢山歩いていました
天気がよければ、このハイキングコースから「五竜岳」や「鹿島槍ヶ岳」の壮大な山容を眺める事ができるそうです

テレキャビンの「アルプス平」に昼前に到着
沢山のハイカーが、小遠見山テレキングコースに向かう準備をしていました
此処の名物だと言う「スイカジュース」で喉を潤すと、漸く今回の山旅も無事に終えたことを実感
この後は、午後3時過ぎに大糸線の「神城駅」から、帰りの高速バスの乗る事になっています


2日間の縦走は、時間にして8+7=15時間
水平移動距離で約17キロ、 積算標高差は上り:1855m、下り:2171m となっていますが
お天気の影響、初めて越える難所が二箇所とこの数値以上に大変だった印象です


例によって・・・ 帰りのバスでは、気分がハイになって眠れません(笑)
新宿まで約5時間、暮れなずむ信州の景色を眺めながら、この二日間の山歩きを振り返っていました
今回の山旅でも初めて見る素晴らしい景色に心躍らせ、この場に立つ事ができた幸運を感謝しました
後立山連峰には、未だ見ぬ沢山の景観があると言います

北アルプスが登山初心者を迎えてくれるのもあと二ヶ月、次は何処に向かいましょうか・・・・


速報版から、前編、中篇、後編と4編の登山記、お付き合い頂きありがとうございました

でも、例によって・・・ 
登山記から零れ落ちた写真の中で、お気に入りの写真も残っているので
暫くはこれらの写真をアップしながら、唐松岳・五竜岳縦走の残滓(笑)を味わっておこうと思います




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6 Comments

りら says..."kite31様"
イワギキョウのお写真
岸壁にある花 厳しい条件の下
逞しく 咲いていますね

チングルマの実のお写真
実の形状が楽しいですね
左手下を拝見するとやはり高山植物なのだと改めて思います

五竜岳山頂まであと少し、白馬村の上空には見事な雲海が広がっていまた・・・のお写真
雲に乗れたらいいな・・・・そう思いました
この雲から俯瞰撮影してみたいですね

2016.08.10 20:15 | URL | #sSHoJftA [edit]
きさく says...""
速報版から後編まで拝見しました。

雷鳥....ここ何年か遭ってないし、ブロッケンなんて一度も見た事もないし....羨ましいかぎりです。
岩場の多いルートでちょっと前ならそれこそクライマーズ・ハイになって喜んで登って行くかも知れません....今はそこまでハイになれるか??ですが(笑)

見た目でも脆そうな岩ですね。
無事、踏破され、素晴らしい景色とも出会え最高だったでしょう。
よかったですね。
2016.08.10 22:22 | URL | #mQop/nM. [edit]
kite says..."りらさんへ"
こんばんは、コメントありがとうございます

7月~8月、高原の短い夏を待って咲く高山植物は本当に綺麗です
厳しい自然の中、冬は雪に埋もれて、ずっと春の雪解けを待ち、短い夏の間に花を咲かせる

とても名前を覚え切れない沢山の花たちが咲く高原のお花畑
本当は、此処で足を停めてゆっくりと高山植物の花を愛でる余裕が欲しいのですが(笑)
今は時間一杯、歩く計画ばかり立ててしまっています

あと、2,3年するとそうした余裕が出てくるかな・・ と想っています

今回は、比較的まともに撮れたイワゴキョウとチングルマの写真を載せて見ましたが
本当は、マクロレンズを持ってゆきたいところです

薄く流れるガスや、霧はいつも目にしていますが、これほどふわふわした雲海は随分久しぶりに見た感じがします

本当に其処に乗ってみたい、其処にもぐってみたい・・・そんな感想を持つ雲ですね


2016.08.11 21:12 | URL | #- [edit]
kite says..."きさくさんへ"
こんばんは、コメントありがとうございます

その山容に特徴のある山々が並ぶと言われる「後立山連峰」
初めて歩いたこの山並み、とても印象深い山旅となりました

日常から離れた自然の中にいる事を実感した
「雷鳥」、「ブロッケン」、「雲海」、「キレット」・・・、
自分の見てきたものを、頭の中で整理するのに随分時間が掛かったような気が致します(笑)

難所の牛首、You Tube の動画で幾度も見返し、ある程度難度は把握していた積りでしたが、
はやり実際に其処に立った時の印象と云うのは違いますね

やはり先月、槍ヶ岳に登った事で、冷静に岩稜を渡る術と心構えができてきたように思います
「今年は此処まで」のラインが引けたので、その範囲内で又素晴らしい景色を探してみたいと思います

>無事、踏破され、素晴らしい景色とも出会え最高だったでしょう。

ええ、最高の時間が過ごせました
やっぱり山はいいですね!!  「山の日」万歳!!! (笑)




2016.08.11 21:22 | URL | #- [edit]
Minnie says..."お疲れさまです♪"
こんばんは:-))
八方尾根-牛首-五竜岳-遠見尾根-アルプス平夏の北アルプス満喫ですばらしいです。
牛首の難所を経て五竜山荘大変でしたね、あの尾根を境に後ろ立山連邦より
の天候がまるで違うので怖いですね。お疲れさまでした。
時間が許せば鹿島槍よりキレット小屋ー五竜ー唐松と歩けたら最高ですね。
以前鹿島槍よりーお母さんと小学生の女の子二人がキレット小屋へと降りて行きました。
さすがにMinnieたちも少し心配しましたが。
厳しい尾根も一歩一歩ですね。
楽しい写真拝見しました。今年から山の日が出来て縦走向きのカレンダーになり楽しみ倍増でしょうか、もう....どちらかのお山に向かっているでしょうか(*'▽')

2016.08.11 23:18 | URL | #bVLWGYXg [edit]
kite says..."Minnie さんへ"
こんばんは、コメントありがとうございます

唐松岳から五竜岳、ガイドブックのお奨めに従い、2泊で巡るか?最後まで迷いましたが、
適度な緊張感も維持できて、一泊にして良かったです

難所と言われる牛首、
かなりまとまった雨に見舞われ、岩やクサリが滑るので結構神経を使いました
唐松岳から牛首に入ると、下りになるので、雨に中を歩きたくは無かったのですが・・・
まぁ何事も経験ですね(笑)

>時間が許せば鹿島槍よりキレット小屋ー五竜ー唐松と歩けたら最高ですね。

素晴らしい景色と出会えると聞いていますが、
五竜岳から覗き込んだキレット小屋に至るルートは、よほど条件の良い時でないと
降りてゆく自身はありませんでした(笑)

母親が小学生のお子さん連れで、あの八峰キレットを走破ですか?・・・、凄いとしかいえませんね
お母さんがよほどのアルピニストなのでしょうね(笑)

そうですね、一歩一歩、焦らずに自分のスキルと経験を上げて行ければと思います

山の日はお盆休みに近いので、混雑回避のため、家にいました(笑)
来週末、お天気次第ですが、八ヶ岳に行ってこようかと思っています

また、アドバイスを宜しくお願い致します
2016.08.12 22:27 | URL | #- [edit]

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