凧と浜風

横浜や鎌倉、そして湘南の海辺、そんな風景を撮ってます

憧れの槍ヶ岳へ 前編(上高地~槍沢ロッジ)   

私にとっての特別な山、「憧れの槍ヶ岳」への初登山の記録となります

槍ヶ岳への主な登山ルートは3つありますが、今回私が行ったのは、初めて槍ヶ岳を目指す登山者向けの「槍沢コース」
登山記はコースに沿って、前編(1日目: 上高地~槍沢ロッジ)と後編(2,3日目: 槍沢ロッジ~槍ヶ岳~槍沢ロッジ~上高地)に分けました

まずは前編、上高地バスセンターから槍沢ロッジまで、一日目の登山記をお届けします
この日は上高地の景色を楽しむトレッキング、「初めての槍ヶ岳登山」に向けて、とても静かな始まりでした(笑)

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最初に3日間の登山ルートの概要を纏めておきます

【1日目】
上高地バスセンター →(上高地自然探勝路) → 明神分岐 → 徳沢ロッジ →  横尾山荘 → 一ノ俣 → 槍沢ロッジ(泊)
※下記のマップの赤のライン :約11キロの歩行距離


【二日目】
槍沢ロッジ → ババ平 → 大曲 → 天狗原分岐 → 殺生ヒュッテ分岐 → 槍ヶ岳山荘 → 槍ヶ岳 

槍ヶ岳 → 槍ヶ岳山荘 → 殺生ヒュッテ → 天狗原分岐 → 大曲 → ババ平 → 槍沢ロッジ(泊)
※下記のマップの緑のライン :約22キロの歩行距離


【三日目】
槍沢ロッジ → 一ノ俣 → 横尾山荘 → 徳沢ロッジ → 明神分岐 → 上高地バスセンター
※初日の逆コース、下記のマップの赤のライン :約11キロの歩行距離


上高地から涸沢との分岐点のある横尾山荘まで11キロ、そして横尾山荘から槍ヶ岳まで11キロ
と云うことで、3日間で約44キロを走破したことになります

槍ヶ岳は、物理的にも、心情的にも遠い山・・・ これが、登山計画策定段階での私の感想です(笑)

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【上高地バスセンター → 河童橋 → 明神分岐】


前夜10時半に「バスタ新宿」を出発したさわやか信州号は、予定通り翌朝5時半に上高地のバスターミナルに到着しました

昨年の晩秋、涸沢カールに来て以来2度目の上高地
流石に季節は初夏、この時間でも昨年の晩秋の時に比べて空気は随分暖かく、柔らかい

この深夜の高速バスで上高地に来る方はほぼ全員が登山者、流石に皆さん上高地に慣れています
バスを降りた後は三々五々、迷うことなくテキパキと次の行動に移って行きます

そのまま河童橋に向かう人、登山カードを提出しに行く人、ベンチでバーナーの準備をする人・・・
私も軽い朝食を取ながら、この後の計画を確認します

朝6時、私の槍ヶ岳登山の始まりです

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上高地バスセンターから徒歩5分で「河童橋」に到着、河童橋の上は写真を撮る登山者で一杯です

河童橋から少し歩いたところに穂高の山並みを楽しめる特等席があります
朝靄の中、梓川、明神岳、穂高連峰・・・  この景色を見ると、上高地に来た事を実感します
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昨年涸沢に来た時に宿泊した嘉門次小屋から河童橋に戻る時に通った「自然探勝路」、この路がとても印象に残っています

今回も是非歩いてみたかったのですが、最終日はとてもその余裕がなさそうなので
到着したこの日、明神分岐までこの探勝路を歩くことにしました

最近、上高地周辺に野生の猿が増えているそうですが・・・
彼らの朝食の時間だった様で、路を譲ってもらいながら散策しました(笑)
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立ち枯れの樹と水辺の風景、大正池をはじめとして上高地らしい景色の一つですね
本当は、もう少し早い時間に歩きたかった・・・ 
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贅沢を言わせてもらえれば・・・ 川から立ち昇る霧も、もう少し欲しかった(笑)
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穂高の豊かな雪解け水が流れ込むこの湿原地帯
木橋、木道を巡るこのトレッキングコースの朝はとても静かでした
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深い森に差し込む朝陽が光芒になっていました
豊富な雪解けの水、森を通っていった朝霧が、こうした風景を作ってくれたのでしょう
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光芒に出会うなどと思っていませんでしたから(笑)・・・
出会いがしらのワンショットです
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探勝路の木道アート
自然をできる限りそのままに、トレッキングコースを設計したのでしょう
木道の形に自然への優しさが感じられます
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昨年お世話になった「嘉門次小屋」や明神池に少し寄った後、明神橋までやってきました
この橋を渡ると、梓川の右岸の登山路と合流します

上高地のガイドブック曰く・・・
明神橋の手前から、明神岳を望む景観は写真家も好む珠玉の風景
だそうです

この橋の「欄干」、とても特徴があるでしょう
この欄干が橋に作る影の模様がとても面白かった
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上高地の河童橋の周辺を歩く時、一番その存在を主張しているのがこの明神岳
嘉門次小屋に泊まった時、起き抜けに見た「モルゲンロートに染まる明神岳」がとても印象的でした

バスターミナルから明神分岐まで、写真を撮りながらのんびり歩いて一時間半掛かりました
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【明神分岐 → 徳沢ロッジ → 横尾山荘】


今年の春にリニューアルオープンした「徳沢ロッジ」は、登山者でなく、観光客を対象にした素敵なロッジ
少し奥まったところにあるので、写真は撮りませんでした

この徳沢ロッジに向かう途中、登山路脇にある「古池」
今回の登山計画、時間(心? 笑)の余裕が無くて、花の写真が殆ど無いので、此処で一枚入れておきます
早朝の古池の景色です
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徳沢ロッジを過ぎると、梓川に対岸には「前穂高」の険しい岩の頂が迫ってきます
麓から深い緑が山頂に迫りますが、未だ白い残雪が存在を主張している・・・・ まさしく初夏の穂高の姿です
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間近に前穂高の険しい山頂付近の様子を見ることができますが
この時点ではまだ景色を愛でる観光客気分です(笑)
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真っ青な夏空が眩しい
山の傍に来ると、ダイナミックに変化する雲の動きにとても惹かれます

明神分岐から徳沢ロッジを通って横尾山荘前まで約2時間、CT通りに歩いてみました
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【横尾山荘 & 横尾大橋】


登山者と観光客を分かつ分岐点(笑)、横尾大橋に到着です

昨年の秋、この横尾山荘に泊まりたかったのですが、受付開始10分で満員でした
トイレ、売店、食堂・・・ とても綺麗に整備されています

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横尾大橋です
この橋の掲示板に、「此処から先は登山者しか行けません」と云った様な(笑)意味の注意事項が書かれています

登山者必須の道具(レインウェア、地図、コンパス)は持っていますか?
と云った注意書きで、似非登山者を排除する掲示板もどこかで見ましたが、こうした注意を見るとやはり身が引き締まります


昨年、最初にこの横尾大橋にある掲示板を見たとき、
「神曲」地獄編に出てくる 「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」 の銘文を思い出しました(笑)
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左手が前穂高、正面の山が屏風の頭
涸沢に向かう時には、この屏風ノ頭を回るようにして進んでゆきます
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此処から先、いよいよ本格的な登山路が始まりますので、此方のベンチで昼食を頂きました
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横尾は上高地のバスターミナルから槍ヶ岳に向かう中間地点
と云ってもあくまで距離の上での中間点

標準のCTで云うと、上高地~横尾 CT: 03:10 、横尾~槍ヶ岳山頂 CT: 07:30 と倍以上

昨年涸沢に向かうために、この横尾のベンチで準備をしていた時
槍ヶ岳方面に歩いてゆく登山者を、羨望の眼差しで眺めていたことを思い出しました

この日の私はと云うと・・・
ザックに付けたオレンジ色のヘルメットが、「私は槍ヶ岳に登る人です」、と言っている様で
気恥ずかしくて仕方がありませんでした
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【横尾山荘 → 槍沢ロッジ】

横尾山荘から槍沢ロッジまでの登山路は、沢に沿って歩く比較的緩やかな登山路でした

朝バスを降りて、上高地のバスターミナルから此処まで、視界の利かない樹林の中を歩く、と云ったコースが全く無く
区間ごとの用意された、変化に富んだ、素晴らしい景色を眺めながらのトレッキング  
このコースの魅力があるから・・・ 幾度もこの路を歩いて槍ヶ岳に登る方が多いのでしょうね
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この後の四枚の写真は登山路の様子を備忘録的に記録した写真なので、特にコメントなしです
進行方向左には、常に豊富な雪解け水の流れる沢がありました
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横尾大橋から1時間半、今宵の宿「槍沢ロッジ」に到着です
この槍沢ロッジ、槍ヶ岳登山の基地として大正六年に創業したそうです
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槍沢ロッジの目の前に迫る山々
山、木々、水、沢、岩、小鳥、草花・・・ 此処にいると、本当に大きな自然の中に分け入ってきたことを感じます
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この山小屋は150名の登山者を収容可能との事

ハイシーズンの上高地、涸沢、槍ヶ岳の混雑は凄まじい様です
人命に関わる可能性から、原則として宿泊を断る事ができない、と云う北アルプスの山小屋
押し寄せる登山者を捌く為に、布団一枚に三名程度詰め込まれることもあるとか・・・・

この日の槍沢ロッジは比較的空いていて、布団一枚おきに登山者が寝ることができました
綺麗なお風呂やバイオトイレ、とても居心地の良い山小屋でした
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受付、談話室、ロビー、食堂・・・
山小屋の中は掃除が行き届き、とても清潔感に溢れていました
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入浴、食事が終わり、火照った体を鎮めに夕暮れ時の登山路に出てみました
「槍ヶ岳」まで5.9キロ 明日はどの様なドラマが待ち構えているのでしょうか・・・・ 
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ロビーに置いてあるPCの天気予報を見ながら、登山者同士で意見交換(笑)
これが結構楽しかった

この夜の最新の天気予報では
                 明日: 朝~昼まで晴天 昼~夜に掛けて、曇りのち霧雨
                明後日: 午前中は雷雨  午後は大雨

当初の予定では、明日は槍ヶ岳の肩にある「槍ヶ岳山荘」に泊まる予定でしたが
明後日、雷雨と豪雨の中、バスターミナルまで22キロの登山路を下ってくるのはとても危険

特に、落雷の可能性のある中、槍ヶ岳山頂間近の岩石地帯を歩くのは絶対危険!

と云うことで
明日は早起きして槍ヶ岳に向かい、午前中に山頂を目指す
其処から、直ぐに下山して、「槍沢ロッジ」まで戻ってくる
※11キロの登り、槍ヶ岳登頂、11キロの下り と結構ハードな一日になります

そして、最終日は豪雨の中、「槍沢ロッジ」から、上高地バスターミナルを目指す

これしかないだろう、常に先手、先手で動きましょう
と、皆さん確認をしあい、早めに眠ることにしました

この日の皆さんの思いは一つ、 明日、槍ヶ岳に登れますように!!!!!



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6 Comments

りら says..."kite31様"
1枚目
まるで水辺の中から樹木があるかのような表現で幻想的な雰囲気が漂っています
また 空の色が水辺を自分の色に染めげているかのごとく感じます
水辺は自分が空色になっていることを知っているのでしょうか・・・
問えるものなら問うてみたいと思います
今回アップのお写真は水辺の景観のお写真が多くありとても嬉しかったです

木道の形に自然への優しさが感じられます・・・・のお写真
木道は実用的な物ではありますが自然を損なうことなく自然の織りなす景観沿って作られています
それが結果デザイン性も豊な物となっています
自然と人間の英知との競合であり美的でもあります
大好きなお写真です

まさしく初夏の穂高の姿です・・・のお写真
晴天に恵まれましたね
順光での撮影のように見えます
山並みの美しさだけではなく 下方にある水辺の入れ込み撮影がこのお写真の素晴らしさを顕著に示しているように思えます
これ以上望むものなしの構図となりましたね

kite31さんにお会いしから山岳写真に興味を持てるようになりました
良き出会いを有難う 感謝しています

2016.07.16 22:42 | URL | #sSHoJftA [edit]
kite says..."りらさんへ"
おはようございます、コメントありがとうございます

一枚目の写真を含め、河童橋から続く自然探勝路の木道に沿った水辺はとても素晴らしい風景です
山から流れ出す豊かな雪解け水が、梓川に注ぐ手前で暫し休む処・・・
枯れた樹木、川底の白い安山岩、透き通った雪解け水、此処に空が写り、山が写り、霧が立つ
独り占めするのが申し訳ないような景色でした

樹を切って真っ直ぐな木道を作らず、こうして樹の間を縫うような木道を作ることで
歩く人は、其処の水辺に立つ樹の存在を意識しますね
自然の散策路をデザインする人が、何処まで其処を歩く人の視点、気持ちを汲み取るか
その様なことを考える、曲がった木道でした

初夏の山をイメージしろ!と言われたら、私の頭に真っ先に頭に浮かぶ景色かな・・・
などと思いながら、シャッターを切りました
梓川と前穂高、紛れも無く、上高地の初夏ですね

本当に、初日ちょ二日目の午前中まで(天気予報の通り)は、素晴らしい夏晴れ!
お陰で、槍ヶ岳の絶景を眺めることができましたが・・・

最終日、山の豪雨に見送られながら、槍沢を後にしました
全ての時間が強烈な印象を遺した・・・ そんな山旅でした


私の撮る山岳写真などまだまだですが、山で出合い、感動した景色を少しでもそのままに近い印象の画像で
ブログに載せられたら、と思っています

これからも、沢山の素晴らしい山との出合に期待しています
2016.07.18 05:27 | URL | #- [edit]
坂月沢蚊 says...""
素晴らしい写真で癒されます。3年前に行ったときのことを思い出しながら楽しく拝見しました。
私はどうしても先を急ぐような登山スタイルになってしまいますが、kite31さんのように自然と向き合いながらじっくりと写真を撮るというのも素敵ですね。
次のレポが楽しみです。
2016.07.18 07:50 | URL | #- [edit]
kite says..."坂月沢蚊 さんへ"
こんばんは、コメントありがとうございます

坂月沢蚊さんが槍に登られてもう三年ですか
表銀座コースを、槍から燕岳に向かって縦走されたのでしたね
あのコースにも憧れていますが、流石に最初に槍ヶ岳に来るのに、あそこは選べませんでした

山の楽しみ方は千差万別
私はソロで歩くことが多いので、事前にコースを検討する、実際に歩く、写真を整理してブログに纏める
と三回山を楽しむことにしているので(笑)、ファインダーの通しての山との対話がとても重要になっています

次のレポ、明日にはアップできると思います
2016.07.18 22:42 | URL | #- [edit]
らこさ says...""
こんばんは。
昨年上高地に行ったことが昨日の事のように蘇りました。
梓川の流れも木道も熊笹も、何もかも恋しくなりました~(^-^)
そこから更に高いところに登られて、本当にお疲れ様でした。
ご無事で何よりでした。
2016.07.19 20:40 | URL | #- [edit]
kite says..."らこさ さんへ"
おはようございます、コメントありがとうございます

そうでしたね、らこささんは昨年上高地にお出でになったんだ
上高地には沢山の魅力がありますね

この自然を守るために、隔絶した領域を作り、維持してゆく・・・
次の世代の為にも、遺してゆきたい場所ですね

今回頑張って、憧れの槍ヶ岳まで登ってみました
其処には予想以上に素晴らしい世界が広がっていました

槍ヶ岳の景色から離れられない人達が沢山居るのも理解できました

2016.07.20 09:08 | URL | #- [edit]

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