凧と浜風

横浜や鎌倉、そして湘南の海辺、そんな風景を撮ってます

南アルプス・甲斐駒ヶ岳へテント泊登山  【本編】  

南アルプス・甲斐駒ヶ岳へテント泊登山  速報版に引き続いての【本編】となります 

速報版にてお伝えした通り、2度目の甲斐駒ヶ岳への登山も風と霧に祟られ DNF(Do  Not  Finish) に終わりました
でも、南アルプス・甲斐駒ヶ岳はとても魅力ある名峰、ピークハントは未完でも、素晴らしい景色を充分に堪能できました
そんな印象に残った山の景色を中心に、甲斐駒ヶ岳・登山レポートをお届けいたします

ss-DSC09088.jpg
仙水峠から駒津峰に向かうハイマツ地帯
強風の吹き荒ぶ稜線から見下ろした「谷から湧き立ち、うねり、鳳凰三山に向かい舞い上がる雲流」は見応えがありました
................................................................................................................





では、南アルプスの名峰・甲斐駒ヶ岳への登山レポートです

ss-甲斐駒

初日はテント場のある北沢峠の長衛小屋に行くだけなので、南アルプスの起点となる「芦安駐車場」には9時にのんびりと到着
南アルプス市営芦安駐車場は第八まである大きな駐車場ですが、バス乗り場に一番近い「第二駐車場」に入れる事ができました

適当な時間のバスに乗る積りが、乗り合いタクシーで「広河原」で一本前のバスに上手く繋げてくれる、との事
大慌てで車からザックを運び出し、身支度を整えます
広河原まで、バスで約一時間の距離ですが乗り合いタクシーは50分足らずで到着します

タクシーで隣に座った中年の男性、登山者にしては何となく荷物が異様な形
お話を伺うと、岩魚を狙って南アルプスの渓流に分け入ってゆくとの事
「南アルプスで岩魚を狙う渓流釣り師」、朴訥とした話しぶりながら、初めて聞く岩魚釣りのお話が聞けました
広河原にて、「熊に気をつけて下さい」と伝え、お別れしました
ss-DSC08875.jpg


広河原にある「広河原山荘」
甲斐駒、仙丈ヶ岳の登山口となる北沢峠までのバスの始発駅
そして日本第二の高山である北岳(標高:3193m)に向かう登山口にもなっています

この日、三度目の使用となったテント泊の為の大型のザック、グレゴリーの「バルトロ75」
テント泊の時の重量管理のために買った「デジタル電子秤」で朝計ってきたら・・・ 総重量は15.8キロ
慣れていないせいもありますが、この重量は結構応えます(笑)

この後、テント泊で行きたい山に登るには、もう少し軽量化が必要と感じました
ss-DSC08878.jpg

広河原から北沢峠に向かう南アルプス林道は、南アルプスの大きな、大きな・・ 山を眺めながら走ってゆきます
途中、素晴らしい景色の場所ではバスの速度を落とし、簡単な説明をしてくれます

これが、日本第二の高山「北岳」です
走りながらのバスの窓からの撮影なので、多少の見苦しさはご容赦を・・・

自然保護のために、マイカーでの乗り入れのできない南アルプス
この景色を間近に見ようとしたら、登るしかないのですね、北岳、そして其処から続く続く白峰三山
天空に向かって立つオベリスクのある鳳凰三山・・・・
甲斐駒ヶ岳に登った後、南アルプスを山々をゆっくり回ってみたいです
ss-DSC08884.jpg

そして、少し走ると車窓右手に甲斐駒ヶ岳の山頂が見えてきました
左が甲斐駒ヶ岳山頂、右手が摩利支天の頂です

広河原から約20分、もう北沢峠に到着です
ss-DSC08895.jpg

昨年秋に北沢峠に来た時、待合室とトイレが新築工事中でしたが、素晴らしい建物が出来上がっていました

此方は、速報版でも紹介した「こもれび山荘」
昨年の秋に来た時には、麓から通う若い女性のグループがテキパキとこの山小屋を運営していました
夕食に出た鍋がとても美味しかったのを覚えています
ss-DSC08897.jpg

この日テントを張る「長衛小屋」に昼前に到着

此処は水場も近く、トイレも綺麗、とても居心地の良いテント場でした
黄色いテントの向こうには美しい渓流が流れています、流石に南アルプスは美味しい水が豊富でした

このテント場はペグが余り刺さらず、岩を使ってテントを支えます
周りのテントを見よう見真似(笑)、暫くは何事も模倣しながらお勉強です
ss-DSC08933.jpg

長衛小屋の全景です
此方の山小屋も新しく立て直したので、とても居心地がよさそうです

手前の金属製の手すりのある橋が甲斐尾駒ヶ岳登山口へと繋がっています
ss-DSC08938.jpg


翌朝5時、山小屋を出発します

北沢峠から広河原に戻るバスの最終便が16時、これを逃すと此処でもう一泊となります(笑)

甲斐駒登山の標準CTが7時間半、これに撮影や食事の時間を加味して、所要時間を約9時間と見込みます
下山後の休憩、その後テントを畳み、北沢峠のバス停に戻ると・・・ 余り余裕がありません
撮影時間、食事の時間で調整しながら登ることに致します

山小屋の後ろに甲斐駒ヶ岳の白い山頂が見えています
この時間、山のお天気は上々だったのです・・・
ss-DSC08953.jpg

【長衛小屋 ~ 仙水小屋】 : CT30分

甲斐駒ヶ岳から流れてくる渓流に沿って、気持ちのよいトレッキングコースを歩きます
緑の写りこみが美しい小池、運がよければこの池で岩魚の姿が見えるそうです
ss-DSC08971.jpg

この辺りの林は若いですね
明るい緑の中を歩いているだけで気持ちが弾んできます
ss-DSC08973.jpg

【仙水小屋 ~ 仙水峠】 : CT40分

此処は昨年とても印象に残った樹林帯
渓流から離れて暫く歩くと、針葉樹の深い林と苔むす登山路に変わります
ss-DSC08983.jpg

倒木は緑色の苔に覆われていました
ss-DSC08989.jpg

コメツガの深い樹林
この林、絵画のような印象を受けませんか? とても不思議な雰囲気を感じました
ss-DSC08990_20160705133317f4f.jpg

苔とコメツガの林を抜けると、露岩地帯に出ます
南アルプスの深い森も侵食できない不毛の露岩帯、しかし少しずつハイマツの樹が露岩の間に根付いていますね
ss-DSC09008_20160705133319cb6.jpg

とても歩き難い露岩地帯
ほぼ半分まで来たところで振り返ると、仙丈ヶ岳が見えています
ss-DSC09014.jpg

仙水峠まであと少し・・・ と云う所で、いきなりニュっと顔を出す「摩利支天(まりしてん)」
摩利支天とは、甲斐駒ヶ岳山頂の南東に位置する花崗岩の岩峰ですが、下から見上げると凄い迫力があります
ss-DSC09016.jpg

予定時間に仙水峠(標高:2264m)に到着

栗沢山と甲斐駒ヶ岳の鞍部となるこの仙水峠
此処から先、甲斐駒ヶ岳山頂までの三時間が本格的な登山路となります

ss-DSC09018.jpg

この仙水峠は風の通り道
仙丈ケ岳を駆け下りた風が、この峠を通り、東に抜けてゆきます

高台から東の谷を覗き込むと・・・ 
遠く東に曙色に夜が明け、眼下の谷からは雲が沸き立つダイナミックな景色が拡がっていました
ss-DSC09028.jpg

登山口方向を見ると、仙丈ヶ岳の山頂に雲が掛かり始めています
この仙水峠周辺の景色、かなり強い風が吹き、雲が早い速度で流れています
この後の天候の急変に要注意!

ss-DSC09035.jpg

仙水峠から駒津峰(標高:2740m)まで高度差500mの岩石地帯の登り
先月、瑞牆山に登っておいてよかった(笑)
ss-DSC09038.jpg

針葉樹林を漸く抜け、ハイマツの茂る稜線上に出ます
風は相変わらず強いものの、其処から見る景色に目を奪われます
ss-DSC09048.jpg

谷から湧き上がる雲の動き
強い風に煽られて、うねり、舞い・・・ と生き物のような動きをしています
ss-DSC09049.jpg

駒津峰まで登って見られたら、もう少し自由なアングルから狙えたと思いますが
眼前に鳳凰三山(薬師岳、観音岳、地蔵岳)のシルエットが見えます
写真中央の地蔵岳の山頂に佇立するのがオベリスク

オベリスク:
地蔵岳の山頂部はオベリスク(地蔵仏)と呼ばれる巨大な尖塔があり、これが鳥のくちばしに見立てられることから
【鳳凰の山】の名前の由来になっていると考えられている
オベリスクはこの山域の象徴的存在で甲府盆地からも見ることができる
※ Wikipedia より

昨年、駒津峰から見たこの「オベリスク」がとても印象に残っていて
この日、是非見たいと思っていました
ss-DSC09067.jpg

西の仙丈ヶ岳の山頂付近も、雲が不穏な動きをしています
標高2500mを越えた稜線、予想以上に風が冷たく、此処で防寒着とグローブを装着しました
ss-DSC09074.jpg

強風に煽られながら、岩場を慎重に登ってゆきます
此処は駒津峰まであと10分ほどでしょうか、チョッとした踊り場で小休止
ss-DSC09129.jpg

周辺を見渡してみると、当面は雨や雷の心配はなさそうですが、雲や霧の動きから風の強さが分かります
仙丈ヶ岳に掛かっていたガスが甲斐駒ヶ岳に向かって流れてくるようです
ss-DSC09082.jpg

視界の利くうちに、甲斐駒ヶ岳と摩利支天の姿をカメラに収めました
ss-DSC09085.jpg

あっという間にガスが拡がり、甲斐駒山頂が視界から消えてしまいます
ss-DSC09098.jpg

速報版にてお伝えした、このタイミングで二人の登山者と出会いました
(服装と持っているギアから推して)私より遥かに経験を積んでいると思われるお二人のアドバイスはとてもありがたかった

必要な情報を客観的に伝え、自分達のこの後の予定とその根拠を説明し
さりげなくアドバイスを加える・・・  
山で、何かを伝える場合の模範ですね(笑)

暫く此処で写真を撮った後、お二人の後を追って下山することに致しました
ss-DSC09114.jpg

山の天候の変化は早いですね
丹沢でもこうした天候の急変には遭遇しましたが、此処は3000m近い山の稜線、やはり緊張の度合いも違います
ss-DSC09124.jpg

西の仙丈ヶ岳もガスに覆われました
あちらに登った方も、あまり見晴しには恵まれなかったようですね
ss-DSC09116.jpg


仙水峠までの下山途中、3つのグループと出会いましたが、皆さんから上の様子を聞かれました

風、ガスの様子、先行して下山したお二人の登山者から聞いた話を伝えましたが
皆さん、見晴しの良いところまで登ったら、其処から引き返す積もり、との事
樹林の中に居ても風の音が凄いので、撤退を想定していた様子です


10時半にテント場に戻ってきました
5時間半の登山、少し物足りない思いもありますが今回は素晴らしい雲海を見られたことで満足します(笑)

バスの時間を確認し、予定したバスの1本早い便が13時半に出るので、それで帰宅することにしました



北沢峠は、甲府から芦安を経由して広河原から登る便と、伊那から戸台口を経由し仙流荘前を通る便、
2コースの南アルプス林道バスのターミナルになっているので、結構賑やかです

ss-DSC09244.jpg


南アルプス・甲斐駒ヶ岳へテント泊登山 速報版、本編とおつき頂きありがとうございました

残念ながら、今回も甲斐駒ヶ岳の山頂まで登ることはできませんでしたが
これはこの後、南アルプスが錦に染まる晩秋の景色を楽しみに取って置く事に致します


梅雨が明けるのか、台風が来るのか・・・ 
自然を相手に、夏山計画を少しでも上手く運ぼうとすると、煩悩が尽きませんね

この後の夏山計画はケセラセラ(笑)
想定外の山登りも、それはそれと・・・楽しみたいと思います




【凧と浜風】   お付き合い頂き ありがとうございました
宜しければ、そっと応援して頂けると嬉しいです


にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ

スポンサーサイト

4 Comments

りら says..."kite31様"
1枚目
19枚目
22枚目
23枚目
27枚目

雲海のその威容にただただ驚嘆しています
以前申し上げたごとく荒々しい海のごとく感じます
それを俯瞰撮影されています
俯瞰撮影は都会のビルのからでさえ楽しいものです
これだけの高さからの雲海 俯瞰撮影豪快ですね
素晴らしい描写で暫し見とれました

10枚目
池への緑と木立の映り込みが極めて綺麗です
憧れますね
この地この池へと心が誘われます

2016.07.06 20:28 | URL | #sSHoJftA [edit]
kite says..."りらさんへ"
おはようございます、コメントありがとうございます

甲斐駒ヶ岳の尾根から眺めた雲海は本当にダイナミックでした
もう少し、あの場面に合ったカメラとレンズが欲しかった・・・と思いました

甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、栗沢山と南アルプスの大きな山に囲まれ、谷間から鳳凰三山を駆け上がる
雲流を眺めているのが自分ひとりだけ(見えている範囲でですが(笑))
と云う状況に、何か鳥肌が立つような感覚を覚えました

大きな自然の中に一人だけが残って壮大な景色を眺めている、と云う過去に経験したことの無い
状況、幾つになっても鳥肌が立つような感激って味わえるものですね

拙い写真で、あの景観を何処までお伝えできるか?自信がありませんでしたが
りらさんのありがたいコメントで報われました

今回の登山路では山の景色だけでなく、渓流、池、コメツガの樹林、苔の林、露岩帯・・
と普段目にすることの無い風景との出会いが盛り沢山でした

南アルプスの自然は本当の大きく、深い・・
大切にすべきにほんの貴重な財産だと感じました
2016.07.07 06:23 | URL | #- [edit]
yamatoumi says...""
kiteさん!
沸き立つ雲はすごく印象的!
樹林帯の描写も素晴らしいですね!

登山はピークハントを大事にされてる方が多いと思いますが、
山で素晴らしい景色に出逢う事も達成感のひとつと私は思っています。
山の景色は生き物のようで、特に雲は一秒ごとに違う景色になりますよね。
まさに一期一会の出逢いですよね。

いい写真が撮れなかったピークハントより、
ピークハントできなくてもいい写真が撮れた山旅の方が、私は満足するんだろうなぁ~とよく思います(笑)

ソロで15.8キロで抑えてるのはスゴいと思いました~♪
2016.07.08 09:40 | URL | #- [edit]
kite says..."yamatoumi さんへ"
こんばんは、コメントありがとうございます

この日甲斐駒で見かけた「沸き立つ雲」は凄く迫力がありました

この雲以外でも、南アルプスの雄大な景色、大きく深い山、豊かな水、コメツガと苔むす樹林
とても惹かれるものを感じました
ピークハントだけのために、こうした素晴らしい景色に気づかずに通り過ぎてしまうのは勿体無いですね

登ることに大きな意味を持つ登山と、登山路の景色を楽しみながらゆっくり山の中で過ごす山歩き
自分なりの目的を持って、山を楽しむ事ができたら素晴らしいと思います

>ソロで15.8キロで抑えてるのはスゴいと思いました

と云うか、この重量でもかなり応えたので、いつもこれより遥かに重いザックを背負っているK様は
凄い馬力ですね(笑)
美味しい山ご飯の材料で重くなるのならば、我慢ができるのかもしれませんね

念のための持ち物が未だ結構あるので、この辺りをもう少し選別したいと思います

2016.07.08 20:11 | URL | #- [edit]

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://kite31.blog81.fc2.com/tb.php/754-42a2c180
該当の記事は見つかりませんでした。